「Yahoo!奇摩・Yahoo!雅虎香港」とは?
~広告運用者に聞いた!香港・台湾の最新デジタル事情、2024~
皆さんは何かを探したり、疑問を解決したい時、Googleで検索しますか?
ご存知の通り、Googleの検索エンジンシェアは世界で最も高く、世界中の多くの人々に利用されています。日本では「Google」はもちろんですが、「Yahoo」も用途によって利用されている検索エンジンです。
日本から近く、親日国と呼ばれている台湾や香港でも「Google」や「Yahoo」は、同様に多くの人に利用されている検索エンジンです。世界で独自のインターネット事情を有する中国に近い、香港・台湾のデジタル事情はどうなっているのでしょうか?
今回は、香港・台湾における2024年の最新インターネット事情からYahoo!台湾・香港の特徴を広告運用者の視点からご紹介させていただきます。
目次
- 香港・台湾インターネット利用状況
- 香港・台湾の検索エンジンシェア
- Yahoo!奇摩・雅虎香港とは?
- 台湾・香港のYahooとYahoo!Japanとの違い
- Yahoo!奇摩・ 雅虎香港への広告出稿
- Yahoo!奇摩・ 雅虎香港の広告表示形式
- さいごに
香港・台湾のインターネット利用状況
まずは、香港・台湾におけるインターネット事情をご紹介します。
香港のインターネット利用状況
2023年 香港の人口は749万人でした。2021年~2022年では5万4,000人の増加でしたが、2022年~2023年にかけてはマイナスに転じており、それに合わせてインターネットユーザーも減少しています。2023年1月時点でインターネットユーザーは人口の93.1%にあたる697万人でした。(2022年は705万人)
インターネット利用時間は、1日「6時間26分」です。世界平均が6時間37分であるため、香港は世界中のなかで中央値あたりの利用時間です。
以下は、香港で最も訪問されたウェブサイトランキングです。
<We are social datapotarl 2023 – Hong Knog>
台湾のインターネット利用状況
台湾の人口は2023年1月時点で2,391万人に達し、2022年から2023年にかけて、3万1,000人増加しました。前年の2021年から2022年にかけて3万6,000万人増加しており、例年と同様に増加傾向にあります。インターネットユーザーは、2,168万人で総人口の90.7%に達しています。
台湾のインターネット利用時間は、1日あたり「7時間14分」となっており、香港より台湾ユーザーの方が利用時間が長いことがわかります。世界平均の6時間37分を大幅に上回っており、世界の中でもトップクラスに利用時間が長いことが特徴です。
日本のインターネット利用時間が「3時間45分」であることを考慮すると、香港・台湾ともにいかにインターネット時間が長いかをご理解いただけるとと思います。
以下は、台湾で最も訪問されたウェブサイトランキングです。
<We are social Dataportal 2023– Taiwan>
2024年、香港・台湾の検索エンジンシェア
香港の検索エンジン、2024
- Google 90.70%(2022年 89.77%)↑
- Yahoo! 4.42%(2022年 5.6%)↓
- Bing 2.82%(2022年 2.55%)↑
- Yandex 1.01%
- Baidu 0.63%
台湾の検索エンジン、2024
- Google 92.38%(2022年 93.23%)↓
- Yahoo! 5.09%(2022年 4.66%)↑
- Bing 2.26%(2022年 1.98%)↑
- CocCoc 0.09%
- Baidu 0.05%
ご覧の通り、香港・台湾いずれもGoogleが9割近くを占めていますが、今回注目したいのは香港台湾ともに2番目に流入の多い「Yahoo!」と3位の「Bing」です。
香港や台湾ではYahoo!は、日本と同様に、検索だけでなくニュースや知恵袋などコンテンツもあるため、”ポータルサイト”として日常的に利用されています。では、香港・台湾でのYahoo!(Yahoo奇摩、Yahoo雅虎香港)は、どのような検索エンジンなのでしょうか?
検索エンジン「Yahoo!奇摩・雅虎香港」とは?
香港「Yahoo! 雅虎香港」とは?
Yahoo!雅虎香港は、1999年にYahooが香港に設立した支店です。 Yahooのオンラインゲーム、オークション、アライアンスなど、いくつかの機能がローンチされましたが、多くの機能は再編後になくなり、現在は、ニュースや情報コンテンツの開発、他サイトからの記事の転載、有名人によるコラム等を掲載しています。
「Yahoo!雅虎香港」に関しては、ウェブサイトのページ全体のインターフェイスは台湾「Yahoo!奇摩」とほとんど同じですが、写真や動画広告がより多い傾向にあります。
台湾「Yahoo!奇摩」とは?
台湾のYahooはサイト名を「Yahoo!奇摩(キモ/kimo)」と呼びます。
2006年にYahoo!台湾が当時の最大手ポータルサイト奇摩站 (kimo.com) を買収した後”奇摩”の名前を残したのが由来です。ほとんどの台湾ウェブユーザーはYahoo!奇摩」の検索機能を使用した事があるといっても過言ではないほど、一般的に知られている検索エンジンです。
検索機能はもちろんのこと、毎日のニュース・ショッピング・電子メールなど、ウェブサイトのページ全体のインターフェイスは日本より多様で、情報が満載の写真や動画広告が多い傾向にあります。
香港・台湾 YahooとYahoo!Japanの違い
さて、ここからが本題です。「台湾・香港のYahoo」と「Yahoo!Japan」は同じ「Yahoo」ですが、広告出稿などの際には注意が必要です。
台湾、香港のYahooが Yahoo!Japanと大きく違う点、それは「台湾・香港Yahoo」のアルゴリズム検索システムが「Bing」であるということです。
2009年に米 Microsoftと米 Yahoo!が提携したことにより、米 Yahoo!の検索エンジンはMicrosoftの「Bing」アルゴリズムとなりました。その際に、香港・台湾のYahoo!も米国と同じくアルゴリズムを「Bing」に切り替えました。しかし、日本のYahoo! Japanの検索エンジンは「Google」を継続しました。そのため、Yahoo!Japanと台湾と香港のYahooとは異なるアルゴリズムを使用することになったのです。
そのため、台湾・香港のYahoo!で広告を出稿したい場合は、「Bing」の仕組みを理解して広告を運用する必要があります。
Yahoo!奇摩・ 雅虎香港への広告出稿について
先述で、「台湾・香港 Yahoo」のアルゴリズム検索システムが「Bing」であるとお伝えしてきたように、台湾・香港では「Google」だけではなく、「Yahoo・Bing」も利用されています。台湾・香港向けデジタルマーケティング施策を検討する際は、考慮するべき検索エンジンであることはご理解いただけたかと思います。
では次に、台湾・香港Yahooに広告を出稿するための、Bing広告出稿について、解説していきます。
Bingの広告出稿について
台湾や香港ではリスティング広告を出稿する際には、Google広告はもちろんのこと、Bing広告もよく利用されています。
Bingには、キャンペーン・広告グループ・キーワード・広告文・表示オプションなど、Google広告とほぼ同じように設定する事が可能です。操作も基本的にはGoogle Adsとほぼ同じ仕様で、キャンペーン、広告グループ、キーワード、広告文、表示オプションなど、Google Adsの仕様がわかれば使いこなせるインターフェイスです。ただ、残念なことにYahoo(Bing)は、日本語対応不可なため、英語での操作となります。
<Bing Adsの管理画面>
Yahoo!奇摩・ 雅虎香港の広告表示形式
具体的に広告を出稿した際にどのようにリスティング広告が表示されるかを見ておきましょう。
「Yahoo!奇摩」の検索結果
Bingの検索結果
広告を出稿する側は、同じ管理画面で「Yahoo」と「Bing」それぞれに上記のように広告が表示されます。
さいごに
海外の検索エンジンをより理解するには、実際にアクセスし実際に触れてみることが一番理解が深まる方法です。
Yahoo広告やBing広告の特徴を理解する事は、香港・台湾におけるマーケティング施策にとって重要なポイントとなります。今後も情報発信を続けますので、定期的に最新の海外情報を受け取りたい方は、メルマガ登録をお忘れなく!
海外向けに広告施策を検討する際は、インフォキュービック・ジャパンへお気軽にご相談ください。
チョウ テンキョウ
中国の大学を卒業後、早稲田大学大学院に進学し修了。デジタルマーケティングの世界で活躍したいと思い、株式会社インフォキュービック・ジャパンに入社。現在デジタルプロモーションチームのコンサルタントとして、Baiduや360のリスティング広告を中心に多くのアカウントを運用中。趣味は数学、物理と奈良旅行。