Googleだけじゃない!「世界の広告プラットフォーム」
~ 知っておきたい選択肢とその特徴 ~
Google広告は、オンラインで新規顧客獲得を目指す上で必要不可欠な施策の1つです。
事実、Googleはデジタル有料広告界では最も知られている広告プラットフォームの1つであり、世界の検索エンジン市場の90%ほどを「Google」が占めています。
しかしその一方で、広告を出稿する企業間の競争は激化しており、Google広告の単価は高騰するばかり。あらゆる業界でクリック単価は高騰しており、金融や法律などの市場では、「1クリック100ドル以上」という私が担当者なら手の震えが止まらないか、失神してしまいそうなクリック単価に達してしまう業界さえあるというのが現状です。
しかし、ユーザーは「Googleにしかいない!」というわけではありません。
そこで今回は、Google広告に替わる「海外で人気の広告プラットフォーム」をご紹介していきます。比較できるよう特徴をわかりやすくまとめたので、ぜひ、参考にしてみてください。
なぜ、他のプラットフォームを検討するのか?
1.プラットフォームの多様化
Googleは、毎日35億を超える検索が行われる巨大プラットフォームです。しかし、ビジネスの潜在顧客がGoogleにしかいないというわけではありません。たとえば、Googleユーザーの潜在顧客がFacebookやInstagramを頻繁に利用したり、そもそもGoogleではなくBingやYahoo! など、他の検索エンジンを利用している可能性もあるでしょう。
このように、ユーザーの利用するプラットフォームは多様化しています。それに合わせて広告配信の手法を工夫することによって、より多くの潜在顧客にリーチすることが可能となります。
2.Google広告のCPCの高騰
Google広告のCPC(クリック単価)は、競合とのオークションによって決定されます。冒頭でもお伝えしたように、金融系や法律系といった競合の多い市場では、1クリックあたり100ドル以上までCPCが高騰することもあり、課題を感じている企業も多いというのが現状です。
しかし、Google以外の広告プラットフォームを活用すれば、この課題を解決できることがあります。自社商品・サービスに最適なプラットフォームを選択することで、競争が少ない市場に広告を掲載できるだけでなく、CPCを大きく下げることが可能になります。
3.やっぱり大変!
Google広告は、操作が難しいことでも有名で、アカウント設定やキーワード調査、予算管理には複雑なインターフェースの学習など、様々な知識や経験が必要になってきます。習得するには、やはり実践で経験を積むしかありません。とはいえ、企業側も広告を適切なユーザーに届けることができなければ、利益につながらない出費を続けなくてはなりません。
Google広告以外の広告プラットフォームの中には、Google広告より細かなターゲティング設定ができるものも存在します。また、手軽にターゲットを絞った広告を表示させることができるプラットフォームも多く、結果的にGoogle広告より簡単な設定で成果を出せる可能性もあります。
4.Googleプライバシー問題
Googleのビジネスモデルは、基本的にデータ収集と広告を中心にビジネスを展開しています。収集できる個人データが多ければ多いほど、ターゲットを絞った広告配信を打つことができるため、結果としてGoogleの収益も増加するというビジネスモデルです。
広告取引に多く利用されてきたサードパーティCookieは、2018年欧州で発行されたGDPR(General Date Protection Regulation)を発端に、世界中でデータ利用条件が厳格化する動きが急速に広まっています。しかし、Cookieの利用制限が厳格化されるとはいえ、Googleのプライバシー問題に満足いかず代替手段を探すユーザーも増加してきています。
Googleだけじゃない!世界で人気の「広告プラットフォーム7選」
1.Microsoft 広告 (Bing Ads)
Microsoft Advertising(Bing Ads)は、Google広告のもっとも一般的な代替プラットフォームと言われています。世界で3番目に大きな検索エンジンであるBingに、Google広告のような検索結果に表示される有料広告を掲載することが可能です。
Google広告との大きな違いの1つは、CPC(クリック単価)の安さです。Google広告の平均CPCが20.08ドルに対して、Microsoft Adsの平均CPCは7.99ドルと大きく下回っています。
Microsoft AdsはBing 、MSN、Yahoo!の検索結果に表示されます。また、年齢や性別などの人口統計に基づき、さまざまな時間帯や曜日に広告表示するように選択できるようになっています。Google広告を使用している場合、既存キャンペーンをそのまま簡単にMicrosoft Adsへ移行できるインポート機能も搭載しています。
その他にも、特定の国や地域に広告オーディエンスを絞り込むことができる高度なロケーションターゲティングや、独自のキーワード調査ツールなどの各種便利ツールが利用できたりと、Google広告の代用品を探している企業におすすめの広告プラットフォームといえるでしょう。
2.Amazon広告
Amazon Adsとは、世界最大のオンラインショップ「Amazon」に掲載できる広告のことで、Googleショッピング広告の優れた代替手段になります。
掲載できる広告は、Amazonの検索結果上部に表示されるスポンサーリンクやディスプレイ広告、Amazon TVやIMDBに表示される動画広告、Alexa対応デバイスのAmazon MusicやEchoで流れる音声広告など多岐にわたります。
Amazonでショッピングをしているユーザーはすでに購入商品を決定していることが多く、広告をクリックした後にそのまま購買行動につながる可能性が高くなっているため、スポンサーリンクやディスプレイ広告は、有形商品を販売するネットショップ・ECサイトのPRに適しています。また、動画広告や音声広告は潜在顧客にリーチしやすい特徴があるなど、幅広い活用方法が魅力の広告プラットフォームといえます。
Googleショッピング広告の平均CPCは0.66ドルに対して、Amazon広告は高くても0.35ドル程度を推移しています。
3.LinkedIn広告
LinkedIn広告とは、全世界で7億5600万人以上のユーザー数を誇るアメリカ発祥のソーシャルメディア「LinkdIn」に掲載できる広告のことです。LinkdInは、数あるソーシャルメディアの中でも特にビジネス向けのSNSとして人気が高く、BtoBのリード獲得やコンテンツプロモーションに適したプラットフォームです。
現在、LinkedIn広告ではスポンサードコンテンツやスポンサードInMail、ダイナミック広告、テキスト広告といったさまざまな広告があり、(詳しくはこちらのブログで紹介しています)業界や職種、役職などを設定して広告を配信できるため、特定のターゲットに対してブランド情報や商品・サービスをPRしたい企業におすすめです。
ただし、LinkedIn広告の運用には注意点があります。デバイス別の配信データを確認できないため、どのデバイスでもユーザーに与える情報が同様になるよう、リンク先の表示内容を整えることは必須です。
LinkedIn広告の平均CPCは5.26ドル前後です。
4.Facebook広告
Facebook広告は、世界最大のユーザー数を抱えるソーシャルメディアプラットフォームであるFacebookに掲載できる広告のことです。日本ではユーザーが減少しているFacebookですが、全世界のユーザー数は28.95億人を誇る世界最大のSNSの1つであり、現在も巨大なマーケットが広がっています。
Facebook広告では、バナー広告・動画広告・スライドショー広告・カルーセル広告・キャンバス広告など、他にもさまざまなタイプの広告を配信することができます。
広告主の持つ顧客データをもとにターゲットを定める「カスタムオーディエンス」や、その情報をもとに定められる「類似オーディエンス」、利用データ・位置情報・興味関心にもとづいて決定される「コアオーディエンス」など、ターゲティングの方法も多種多様です。(詳しくはこちらのブログでご紹介しています)
ただし、Facebook広告にはデメリットもあります。それは、独自の用語や管理画面を使いこなすまでに時間を要するということ。とはいえ、慣れてしまえば膨大なユーザーをターゲットに広告を掲載できるため、利用価値は非常に高いといえるでしょう。
Facebook広告の平均CPCは、1.72ドル前後です。
5.Reddit広告
Reddit広告は、月間アクティブユーザー数が4億3000万人を誇る世界最大の投稿サイト「Reddit」に掲載できる広告のことです。Redditのユーザーは、全体の55%がアメリカに在住しており、ユーザーの58%以上が18~34歳になります。アメリカの若者向けの海外マーケティングに適した広告プラットフォームです。
Redditの詳しい詳細はこちらのブログで紹介しています。
Reddit広告の種類は、サイドバーに設置するディスプレイ広告やインフィード広告があります。コミュニティやデバイス別、場所、ユーザーの関心事など、さまざまなターゲティングオプションを選択することができます。Google広告と比較してCPCが安いため、細かなターゲティングとコストを抑えた運用を行うことが可能です。
ただし、注意点が1つあります。それは、Redditがコンテンツ主体の投稿サイトだということです(日本の2チャンネルのイメージです)。低品質な投稿・広告はユーザーから嫌われる傾向があるため、日頃からのブランディングや高品質な広告を投稿できなければ、成果を出すことは困難になります。
6.Quora広告
Quora広告とは、月間3億人以上のユーザーがいる質疑応答型プラットフォーム「Quora」に掲載できる広告のことです。「質疑応答型」というと、イメージしにくいかもしれませんが、実名制の「Yahoo!知恵袋」のようなものです。
Quora広告には、特定の質問カテゴリーに対して掲載される広告や、興味関心や質問履歴などのターゲット設定をすることで掲載できる広告があります。広告の種類はインフィード広告・テキスト広告が主流で、ターゲットに刺さるクリエイティブ作成によってCVR(成約率)を高めることが可能です。
また、Quoraを活用することは、企業のブランディングにも効果的です。Quoraには特定の回答を上位掲載するオプションがあるため、自社のサービスで解決できる質問に対して適切かつ自然な回答を上位に表示設定することで、サービス認知を拡大させることができます。
7.AdRoll
2007年に設立されたAdRollは、リターゲティング広告で有名な広告プラットフォームです。FacebookやInstagram、yahoo、Taboolaなど500を超える広告ネットワークを組み合わせたオールインワン型広告配信プラットフォームです。
リマーケティングキャンペーンに特化しているAd Rollは、ユーザーがウェブ上でどのような行動をしているのかを追跡し、その動線上に広告を表示します。ユーザー分析やAI予測、高度な追跡機能などさまざまな機能が用意されているため、特にオンラインショップやECサイトの運営している企業にとって利用価値が高いといえるでしょう。
まとめ
低コストからはじめることができ、狙ったターゲットにアプローチできるデジタル広告は、アフターコロナ・DX時代には必須のマーケティング施策といえるでしょう。圧倒的ユーザー数を誇るGoogle広告はもちろんのこと、ターゲットにマッチした他のデジタル広告とマルチチャネルで戦略を練ることで、効果を飛躍的に高めることも可能になります。
インフォキュービック・ジャパンでは、B2B/B2C、業界を問わず海外市場向けリスティング広告の実績が多く、最も得意としているグローバルマーケティング施策の一つでもあります。もし「多言語リスティング広告」にお悩みでしたら、ぜひともお声掛けください!
吉田 真帆 マーケティング部 プランナー
コンテンツ・SNS・メールマーケティングを統括しています。 オーストラリア永住権を取得したにも関わらず、思いもよらず日本に帰国。日本9年を経て、現在はシンガポールからフルリモート中。