海外向けYoutube広告【完全ガイド】
~広告種類から配信方法、海外事例まで Step by Step~
グローバル市場へのデジタルマーケティングが浸透した昨今において、言語の壁を越えて、視覚的にアプローチできる動画広告の訴求力の高さが評価されています。
世界中に25億人以上のアクティブユーザーを抱え、世界最大規模の動画配信プラットフォームであるYouTube。圧倒的なユーザー数を誇るYouTubeに配信することができる「YouTube広告」を活用することは、海外の顧客に対して自社の商品やサービスの認知度を高め、新規顧客を生み出す可能性のある優れたマーケティング施策の1つです。
世界中の100以上の国でローカライズされ、80の言語に対応していYouTube広告を、マーケティング施策として活用することで、これから海外市場を視野にビジネスの展開を検討している、もしくはすでに展開している企業であっても、ビジネスを成長させるための大切な第一歩となります。
そこで今回は、海外向けにYouTube広告を配信するための広告配信完全ガイドとして、広告の種類から配信方法、海外で成功させるための攻略ポイントななどYouTube広告について詳しくご紹介していきます。
目次
- 1.海外YouTube広告のメリット
- 2.YouTube広告費を理解する
- 3.YouTube広告の種類や特徴
- 4.目的に合った広告フォーマット選び
- 5.YouTube広告の配信方法
- 6.YouTube広告ベストプラクティス
- 7.さいごに
海外向けYouTube広告のメリット
広告を出すプラットフォームは無数にあります。その中でYouTubeに広告を出す意義は、シンプルに「世界規模で宣伝効果が高いから」です。YouTubeにはビデオ広告が使用されますが、このビデオ広告はテレビコマーシャルよりもROI(投資対効果)が約77%高く、テキスト広告よりも約66%見込み客を多く獲得するという数字も出ているほど効果の高い施策と言えるでしょう。
このようにYouTube広告には、メリットがあります。YouTubeを利用することによって得られるメリットについて、もう少し見てみましょう。
圧倒的なユーザー数
日本におけるYouTubeユーザー数は、2023年1月の時点で7840万人です。しかし、海外に目を向けてみるとYouTubeの月間アクティブユーザーはおよそ25億人、1日あたりの動画視聴時間は10億時間以上です。これは、NetfrixとFacebookの動画を合わせたものを超えており、さらに言えば、18歳から50歳までのユーザーリーチは、どのブロードキャストやケーブルテレビなどよりも「高い」という事実はあまり知られていません。
YouTubeは指数関数的に成長しており、今後もインターネット人口の増加に伴いユーザーは着実に増えてくると予測されています。YouTube多くのユーザーの興味・関心・趣味・テーマ・商品について情報を求める”コミュニティ”が存在しています。そうしたユーザーに対して、YouTube広告を効果的に活用できれば、例えニッチな産業であったとしても多くの潜在顧客・顕在顧客を見つけられる可能性があります。
高度なターゲティング機能
YouTube広告では顧客セグメンテーションと正確なオーディエンスのターゲティングなどに基づいてユーザーを獲得します。また、親会社であるGoogleのデータを使用するため、ユーザーが何に関心を持っており、適切なメッセージを適切なタイミングで配信することが出来ます。年齢・場所・性別・人口統計・興味・ライフイベントなどのデータに基づいて、潜在顧客・顕在顧客に適切にリーチすることができます。
YouTubeでは、大きく分けて2種類のターゲティングが可能です。
▶ オーディエンスターゲティング
オーディエンスターゲティングは、自社のサービスに最適なターゲットを、「人」に焦点を当てて絞り込む方法で、ユーザーの属性、興味、習慣、行動履歴など以下のカテゴリに基づいて、広告を表示させることができます。オーディエンスターゲティングの主な項目は以下の通りです。
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- ユーザー属性グループ:年齢、性別、子供の有無、世帯年収を指定
- 詳しいユーザー属性:学生、就業状況、住宅の所有などのより詳しいユーザー情報を指定
- 興味・関心
アフィニティセグメント:ユーザーの熱中していること、興味・関心、習慣
カスタムアフィニティセグメント:より絞ったアフィニティセグメントが作成可能
ライフイベント:大学入学・卒業、転職、結婚、定年退職など人生の節目においてユーザーの購買行動が変化すると見込まれるユーザーにアプローチが可能
購買意向の強いセグメント:検索行動のデータに基づいて、購入する可能性の高いユーザーにアプローチが可能
カスタムセグメント:Google検索で使用した検索キーワード、ユーザーが訪問しそうなウェブサイトのURL、ユーザーが使用すると考えられるアプリ名など、最適なオーディエンスにアプローチが可能
※オーディエンスターゲティングは、2023年5月1日・2023年8月1日に大幅な変更が予定されています。既にYouTube広告を運用している方は、こちらをご確認ください。「オーディエンスターゲティングに関する変更」
▶ コンテンツターゲティング
コンテンツターゲティングでは、広告を表示できる場所を指定することができるターゲティング方法です。指定したキーワード・トピック・デバイスなどを指定することができるため、ユーザーが利用している場所に絞って、効果的に広告配信ができる機能です。コンテンツターゲティングの主な項目は以下の通りです。
その他、言語や地域、時間帯・曜日などの絞り込みも可能でできるなど、自社のサービスに親和性の高いユーザーに対して、最適な広告配信ができることがYouTube広告の魅力の1つでもあります。
YouTube広告は費用対効果が高い
YouTube広告はGoogle広告と同様に課金形式が採用されているため、初期予算をあまり必要としません。ストリーム広告やバンパー広告など、複数の広告種類がありますが、いずれも一定の条件を満たした場合にのみ費用が発生する仕組みです。
海外に向けてYouTube広告を配信する場合、日本とは異なり世界中の企業が競合となるため、ある程度コストをかける必要がありますが、キャンペーン全体の予算や1日の支出などをうまくコントロールしながら効率よく顧客を獲得することが可能です。
YouTube広告は測定・追跡が簡単!
広告戦略を成功に導くために指標のデータの追跡・パフォーマンス測定は極めて重要であることは、マーケターであれば周知の事実です。YouTube広告では、全ての広告キャンペーンが追跡可能であり、重要なインサイトを得るための優れた機能が用意されています。
さらに、Google広告の情報とYouTubeアカウントのアナリティクスタブを連携することで、別施策と組み合わせた広告費の調整など効率よく実施することが出来るようになります。
利用することが出来るデータは、広告フォーマットや価格設定によって異なりますが、再生回数、クリック数、エンゲージメント、到達率はもちろんのこと、視聴時間やキャンペーン費用、広告視聴時間、どの時点で視聴を辞めたかなど細かく数値化されるため、動画広告の効果について多角的に分析することも難しくありません。
ユーザー行動に影響を与えることができる
YouTube広告を適切なターゲットに魅力的なコンテンツを届けることで、ユーザーの行動に大きな影響を与えることがGoogleの調査で判明しています。
Googleの調査によると、YouTube広告を視聴したユーザーの75%が、「ブランドを意識するようになった」と回答。さらに、YouTube広告を視聴してブランドを意識するようになったユーザーの70%は「YouTubeを見たことをきっかけにそのブランドを購入した」と回答しています。
ユーザーはYouTube広告を通して企業の哲学・製品・サービスがどのように機能するかを知ることができるため、YouTube広告を効果的に活用し、ユーザーとの繋がりを強固なものにして、ブランドや商品に親近感を持ってもらうことができるようになります。
ユーザーと繋がることができる
テキスト広告や画像よりも情報量が多く、わかりやすく伝えることができる動画広告を活用することで、アイデアをユーザーに伝えるだけでなく、企業を代表する人物の顔や企業としての姿勢・倫理観、商品やサービスの仕組みを伝えることで、ユーザーと感情的に繋がることができるようになるでしょう。
YouTubeはシンプルに25億のユーザーを抱える「世界最大の動画プラットフォーム」という特性もそうですが、YouTube広告にはさまざまな広告フォーマットが用意されており、それぞれのフォーマットの特性を理解し、うまく活用することでYouTube広告の可能性は無限に広がっているとも言えるでしょう。
YouTube広告費を理解する
YouTube広告は、オークション形式で料金が決定され、なおかつ、複数ある課金条件を満たして初めて費用が発生します。同じ広告枠を希望する競合が多ければ多いほど、広告料金は高くなる傾向にありますが、競り勝てば、高い再生回数が見込める人気チャンネル内での広告配信が可能となります。
YouTube広告の料金形態は大きく分けて以下の5つ種類に分かれます。
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- 視聴課金(CPV):動画を30秒視聴するか、その前に広告をクリックした場合に費用が発生する
- インプレッション課金(CPM):広告が1000回表示されるたびに費用が発生する
- クリック課金(CPC):広告がクリックされると費用が発生する
- 視認範囲インプレッション課金(vCPM):広告が2秒以上再生されると費用が発生する
- 日割単価課金(CPD):1日単位で課金される
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YouTube広告の種類や特徴を理解する
YouTube広告にはさまざまな広告フォーマットがあり、用途や目的によって使い分けを行います。広告の種類ごとに特徴やメリットなどについて解説しますが、まずは広告にはさまざまなカテゴリがあることを理解する必要があります。
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- 動画広告 – Google広告から入稿可能な動画広告
- 予約広告 – Googleの営業担当者を通じてのみ入稿可能
- 動画以外の広告 – Google広告から入稿可能な動画以外の広告
上記3つのカテゴリに分類されるYouTube広告には、さまざまな広告フォーマットがあり、それぞれに独自の広告仕様・入札オプションがあります。広告カテゴリ別に詳しく見ていきましょう。
【動画広告 – Google広告から入稿】
1.スキップ可能なインストリーム広告
スキップ可能なインストリーム広告は、動画の再生前・中・最後のいずれかに広告を表示します。YouTube動画プレーヤー内に配信される動画やGoogleディスプレイネットワーク上のサイトやアプリに広告が掲載されます。動画広告が再生されてから5秒後にユーザーは広告をスキップできるようになるのが特徴です。
配信場所:スキップ可能なインストリーム広告は、YouTubeの動画再生ページやGoogleディスプレイネットワーク(GDN)内に表示することが可能
長さ:最短12秒~最大3分
料金: CPM(インプレッション数に基づいて料金が発生)
推奨されるキャンペーン目標:販売・リード・ウェブサイトのトラフィック・ブランド認知度とリーチ・商品とブランドの検討
2.スキップ不可なインストリーム広告
スキップ不可なインストリーム広告は、スキップ可能なインストリーム広告と同様に、動画の再生前・中・最後のいずれかに広告を表示されます。ユーザーは広告をスキップすることは出来ないため、最後まで視聴する必要があります。YouTube動画プレーヤー内に配信される動画やGoogleディスプレイネットワーク上のサイトやアプリに掲載されます。
配信場所:スキップ可能なインストリーム広告は、YouTubeの動画再生ページやGoogleディスプレイネットワーク(GDN)内に表示することが可能
長さ:最大15秒
料金: CPM(ユーザーが30秒視聴または、30秒以前にクリック)/ CPM(インプレッション数に基づいて料金が発生)
推奨されるキャンペーン目標:ブランド認知度とリーチ
3.バンパー広告
バンパー広告とはYouTubeの動画視聴前に6秒間流れる「短い動画広告」です。動画の再生前・中・最後のいずれかに広告を表示され、ユーザーは広告をスキップすることは出来ないため、最後まで視聴する必要があります。短い印象的なメッセージで、幅広いユーザーにリーチしたい場合はバンパー広告を活用します。
配信場所:スキップ可能なインストリーム広告は、YouTubeの動画再生ページやGoogleディスプレイネットワーク(GDN)内に表示することが可能
長さ:最大6秒
料金: CPM(インプレッション数に基づいて料金が発生)
推奨されるキャンペーン目標:ブランド認知度とリーチ
4.インフィード動画広告(旧TrueViewディスカバリー広告)
インフィード動画広告は、YouTube検索結果ページや関連する動画の横、モバイルアプリのホームページなど、ユーザーが見つけやすい場所に表示される広告です。通常の動画のように、ヘッダー、サムネイル画像と最大で3行の広告文で構成されるため、通常の動画であるかのように見えるYouTube広告です。「TrueViewディスカバリー広告」の名称が「インフィード動画広告」に変更になりましたが、名称が変わっただけで機能自体は変わっていません。
配信場所:YouTube検索結果の上部、関連するYouTube動画の横、YouTubeモバイルアプリ
長さ:最大12秒
料金:CPC(広告がクリックされると費用が発生)
推奨されるキャンペーン目標:商品とブランドの検討
5.アウトストリーム広告
アウトストリーム広告はモバイル専用の広告です。さらに、YouTubeでは利用できず、Google動画パートナー上のウェブサイトとアプリのみに表示される動画広告です。音声なしで動画が再生され、ユーザーは動画をタップすることでミュートを解除することができます。
配信場所:Google動画パートナー(GVP)。ウェブサイトの場合バナー表示されます。モバイルアプリではバナー、インタースティシャル、インフィード、ネイティブ、ポートレートモードとフルスクリーンモードの両方で表示。
料金:vCPM(2秒以上再生した場合のみ料金が発生)
【予約広告 – Google担当者を通じて予約が必要】
プレミアム広告はGoogleの担当者を通じて広告を出稿するため、準備から実際の出稿まで数日~数週間時間がかかります。料金も配信する国や地域、その他さまざまな要因によって異なるため常に確認が必要です。
6.マストヘッド広告
マストヘッド広告はホームフィードの上部で最大30秒間音声なしで自動再生される動画広告です。YouTubeページに24時間掲載され、さらに大きく表示されるため、認知度を高めたい場合や短期間で多くのユーザーにリーチしたい場合におすすの広告フォーマットです。
複数の動画、CTA、ソーシャルメディアの共有ボタンを含めることができ、デスクトップ・モバイル・テレビ画面に配信することが可能です。(テレビ画面にはCTAを表示することはできません。)
マストヘッド広告は予約型広告のため、Googleの営業担当者を通じてのみ広告出稿が可能です。
見出し:23文字
説明文:最大62文字
CTAボタン:10文字以内
料金:CPM(キャンペーン実施時に配信されるインプレッション数はあらかじめ固定)/CPH時間単価制により、指定した時間帯に100%の広告シェア(SOV)
7.InVideo オーバーレイ広告
オーバーレイ広告とは動画再生中に下部に表示される半透明なイメージ広告/テキスト広告です。ユーザーが動画を再生すると、オーバーレイ広告が表示される仕組みになっています。動画視聴中に表示されるため、ユーザーの目に留まりやすく認知拡大を目的にマッチした広告です。ディスプレイ広告と同様デスクトップのみで表示可能です。
オーバーレイ広告には、「InVideo オーバーレイ広告」と「イメージ オーバーレイ広告(Google 広告)」の2種類あります。イメージオーバーレイ広告はGoogle広告から入稿可能ですが、InVideo オーバーレイ広告は純広告予約キャンペーンとなっており、Google営業担当者を通じてのみ出稿することができるプレミアム広告にあたります。
サイズ:480×70
長さ:30秒以内
料金:出稿する国によって異なるため、要確認
【動画以外の広告 – Google広告から入稿】
8.ディスプレイ広告
ディスプレイ広告は、YouTube内では右側のサイドバーに埋め込まれているバナー広告です。画像とテキストおよびウェブサイトへ遷移させるためのリンクとCTAで構成されます。画像・アニメーションなど複数の形式からフォーマットを選択することができます。
配信場所:動画右上、おすすめ動画の上
推奨されるキャンペーン目標:商品とブランドの検討
9.イメージ・オーバーレイ広告
動画再生中に下部に表示される半透明なイメージ広告/テキスト広告です。ユーザーが動画を再生すると、オーバーレイ広告が表示される仕組みになっています。Google広告のおディスプレイキャンペーンで作成した画像広告をYouTube内に表示させることができる広告フォーマットです。Googleの広告ポリシーが適用されます。
サイズ:468×60および728×90
長さ:30秒以内
料金:CPM(インプレッション数に基づいて料金が発生)/ CPC(広告のクリック数に応じて費用が発生)
目的に合った広告フォーマットを選ぶ
前項でご紹介したように、YouTubeには企業やブランドがYouTube広告で成果を得られるように、さまざまな広告フォーマットが用意されています。せっかく費用を払って広告施策を実施するのであれば、自社のビジネス目標にマッチした最適な広告フォーマットを選びましょう。以下では、目標と最適な広告フォーマットをご紹介します。
「ブランド認知を高める」
認知拡大という目標を達成するためには、視聴者の関心を引くことに特化した広告フォーマットを選びましょう。「ブランド認知を高める」ために推奨されている広告フォーマットは以下の4点です。
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- スキップ可能なインストリーム広告:より多くのユーザーにアプローチすることが期待できます。
- バンパー広告:スキップ不可の短い広告であるため、短く凝縮したメッセージを短時間で伝えることが可能。比較的幅広い視聴者へのアプローチに役立ちます。
- アウトストリーム広告:YouTube以外のGoogle動画パートナーのサイトやアプリで表示されるため、YouTubeのユーザー以外にも広くアプローチできる点が大きなメリットです。
- マストヘッド広告:短期集中型で幅広い層にアプローチをかけることができるため、認知拡大にはおすすめです。
「 比較検討」
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- スキップ可能なインストリーム広告:より多くのユーザーにアプローチすることが期待できます。
- インフィード動画広告:検索結果や関連動画一覧に表示されるため、比較検証に有効な広告フォーマットです。ユーザーが選ぶ可能性の高いコンテンツのすぐ近くでアピールできるため、クリック率が高いというメリットがあります。
「アクションを喚起する」
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- スキップ不可のインストリーム広告:スキップ不可であるため、広告を最後まで視聴することで、ブランドの発信するメッセージをしっかりと伝えることが可能で、リードナーチャリングの側面からも有効なフォーマットと言えるでしょう。
YouTube広告の配信方法
YouTubeのユーザーの70%が、YouTubeを通じて新しいブランドに出会ったと感じていることからも、YouTube広告の効果の大きさが感じられます。ここからは、コンバージョン率を高める広告配信のために必要なステップを、順を追って解説していきます。
ステップ1.Google広告アカウントの作成
YouTube広告は、YouTube内に表示されますが、親会社であるGoogle広告を通して管理を行うため、Google広告アカウントが必要となります。配信する広告は、配信前に一度自分の広告用チャンネルにアップロードする必要があるため、併せてYouTubeチャンネルの作成もしておきましょう。
ステップ2.動画を制作し、アップロードする
YouTube広告運用を始める前に、YouTubeチャンネルに動画広告をアップロードします。チャンネルで公開しない場合は、非公開にしておきましょう。後ほど、アップロードしたURLが必要になるため、メモか何かで残しておきましょう。YouTubeに動画をアップロードするには、以下の手順で行います。
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- YouTube Studioにログイン
- 上部に表示されている「作成」>「動画をアップロード」をクリック
- 動画を選択します。
- タイトル、説明、サムネイル、再生リストなど動画の詳細を追加します。
※「詳細を再利用」を押すと、以前アップロードした動画の詳細をコピーすることができます。
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ステップ3.広告キャンペーン目標を設定する
Google広告の管理画面から、広告キャンペーン目標の設定を行います。まずは、左側の「キャンペーン」から+をクリックし、「新しいキャンペーンを作成」をクリックします。ここでは、キャンペーンの目標を選択します。
この動画キャンペーンを実施する目的は何か、誰に向けて広告キャンペーンを打つのかは、必ず明確に定めておきましょう。YouTubeでは目標別に複数の広告フォーマットが用意されており、それぞれに生み出される効果がさまざまであるため、キャンペーン目標に適したフォーマットを選びます。
続いては、キャンペーンタイプを選択します。「動画」を選択して、「続行」をクリックします。
ステップ4.キャンペーンの詳細を設定する
続いては、広告予算やユーザー属性に基づいたターゲティングなど、キャンペーンに係る様々な設定をしていきます。ここでは、「キャンペーン名・入札戦略・予算と日程・ターゲット地域・ユーザーの言語」などを設定します。
ここで注意が必要なのは、「入札戦略」です。動画広告で利用できる戦略である「コンバージョン数の最大化」「目標コンバージョン単価」は、正確なコンバージョントラッキングを設定する必要があります。目的に応じて、適切な入札戦略を選択してください。
続いては「広告グループ」を作成します。「ユーザー属性」やオーディエンスセグメントを選択して、地域・興味関心・ライフイベントなどに基づいたターゲットの設定を行うことができます。
ターゲットの設定では、打ち出す広告に関連づけられるキーワードの設定やターゲットの属性などを設定していきます。ターゲット設定は、広告の表示先(ユーザー)を選定する際の指標となる重要な情報であるため、綿密な分析と設定が必要とされます。そのため、「 Find My Audience」で的確に自社の商品やサービスと高い親和性を持ったユーザーを把握し、ターゲットに関する詳細設定の精度を上げていくとよいでしょう。
また、莫大な予算がある場合は、「継続的に実行」オプションを選択をおすすめします。しかし、キャンペーンを停止するのを忘れると、非常に大変なことになるので注意が必要です。広告初心者であれば、1日の利用限度額を10ドル~50ドルに設定することが推奨されています。
ステップ5.「動画広告を作成」して広告配信へ
最後は、「動画広告を作成」します。動画広告のアップロードは、先にYouTubeへアップロードしていた動画の「URL」を入力し、「動画」を選択します。
その後、「クリック先のURL」、「行動を促すフレーズ」を入力しましょう。この「行動を促すフレーズ」では、動画広告の中に「購入する」などのユーザーに行動を促すためのCTAボタンを配置することができる機能です。利用する際はチェックボックスにチェックを入れて、ボタンに反映させるキーワードを入力しましょう。
次に、広告文・ディスクリプションを入力し、「キャンペーンの作成」をクリックすれば、YouTube広告の完成です。これで入稿は完了し、その後のGoogle広告の審査に通過すれば、無事にYouTube広告の配信が開始されます👏
海外向けYouTube広告「ベストプラクティス」
YouTube広告の取り扱いは、慣れてしまえばそう難しいことではありません。YouTube広告の成功を導くためには、魅力的なコンテンツが必要になります。以下の5つのポイントを考慮して、広告制作に取り掛かりましょう。
✔ 広告を短く、端的に!
2分間動画はテレビでは通用するかもしれませんが、YouTubeでは上手く機能しません。広告が長いとユーザーはスキップをクリックしたり、途中で見るのをやめてしまう確率が高くなってしまいます。ユーザーを拘束しないように、内容を手短にし、広告の長さは5〜数十秒以内をおすすめしています。
< プリングルス:6秒のバンパー広告>
YouTube広告の目的は、ビジネス全体を説明することではなくユーザーを惹きつけることです。ユーザーの注目を集めランディングページで詳細を説明しましょう。
✔ ユーザーの注意を惹きつける
YouTube広告には、ユーザーが広告を「視聴を続ける・続けない」を選択できる広告フォーマットがほとんどです。動画広告の所要時間は60秒かもしれませんが、ユーザーは5秒後に広告をスキップする選択肢を持っています。つまり、ユーザーに視聴を続けてもらうために、広告がスタートしてからわずか 5 秒以内にユーザーを惹きつける動画でなければなりません。
<アディダス : TrueView動画広告とバンパー広告を活用して、ブランド認知度33%アップを実現>
ビデオスクリプトの「最初の5秒」は、非常に貴重であり、最初の5秒間には「会社名・製品またはサービス・製品またはサービスの機能・なぜユーザーがその製品またはサービスが必要であるのか」などを入れ込みましょう。更に広告コンテンツは、ユーザーが見ようとしていた動画よりもさらに優れている必要があります。
✔ ユーザーを飽きさせない
デジタル化が進む現代社会では、ユーザーは既にたくさんの動画や広告を見慣れてしまっています。そうしたユーザーの心理を理解した上で動画広告を制作する必要があります。サービスやブランドの差別化を明確に伝え、ユーザーを惹きつけるように動画であるということが動画広告では非常に重要なポイントの1つです。
ユナイテッドエアライン社は、既に興味関心の高いターゲットに絞り、適切なコンテンツ戦略と、ユーザーをウェブサイトに遷移させる強力なフレーズを明確に伝えることで、広告キャンペーンを成功に導きました。
✔ 成功事例を活用する
コンテンツがYouTube広告にとって最も費用と時間のかかる要素の1つであることは周知の事実ですが、YouTubeの古いコンテンツを転用することで、時間を節約し、ROIを高めることができます。
すでに成果を上げているコンテンツがあれば、過去に作成した動画を少し編集してYouTube広告に使用したり、パフォーマンスの高かったブログを動画に変換したりして、制作時間を短縮することもできます。なぜこのコンテンツはうまくいったのか、細く分析しておくと、次のステップにつながります。このコンテンツ制作の段階で時間やお金を節約できれば、ROIを向上させることが可能になります。
✔ 自社のYouTubeチャンネルを運用する
動画広告を配信するためだけにYouTubeを始めてはいけません。視聴者が動画広告に興味を示しクリックなどのアクションを行った場合、おそらく動画広告だけでなくオーガニックコンテンツも観てみたいと思っている可能性があります。YouTubeで成功したい場合は、有料広告を補完するアクティブなオーガニックチャンネルの設置が必要です。
自社のブランドが格式高く重厚なイメージを尊重しているブランド戦略をとっていたとしても、YouTube広告は、全く違う角度からユーザーの興味・関心を惹きつけることも可能です。動画広告を単に「広告」として、活用するだけでなく、遷移させたコンテンツで視聴者をファンに変えるチャンネルを運用しましょう。
同社は「パワフルなブレンダー」を売るために、商品の機能を詳しく紹介する動画などは作成せず、「パワフルなブレンダー」というシンプルで、単一的なメッセージ動画を配信し続け、ファンを増加させています。この動画は1900万回以上視聴されています。
過去に成功したブログ、インタビュー、クライアントの声、How To動画、FAQなどに基づいてビデオを作成します。週に1本の動画を投稿すると、オーガニックチャンネルのトラフィックだけでなく、有料広告へのトラフィックも大幅に増加します。「企業の動画広告」を超えたコンテンツで、顧客の興味をより長く維持しコミュニケーションを深めるコンテンツ作りに注力することがポイントです。
さいごに
現在、世界はマルチメディアコンテンツに寄っている動向にあり、それはブランドがマルチメディア広告を受け入れる必要があることを意味します。完璧なYouTube広告成功に繋がる「魔法の法則」はありませんが、YouTube広告を正しく理解することで、より良い広告を制作して効果的な結果に繋げることができる施策です!
今後、動画広告は海外市場を目指す企業にとってなくてはならない施策の1つです。動画広告は一度作成してしまえば、汎用性のある貴重なコンテンツとなるため、一度ぜひ、お気軽にご相談ください。
吉田 真帆 マーケティング部 プランナー
コンテンツ・SNS・メールマーケティングを統括しています。 オーストラリア永住権を取得したにも関わらず、思いもよらず日本に帰国。日本9年を経て、現在はシンガポールからフルリモート中。